江戸切子と薩摩切子

切子(グラスリッツェン)図案をセット


薩摩切子にしてもそうですが、江戸切子を実際に切っている職人さんの場合、下絵は使わないです。
ただ、全体から見て、どの部分をどうするかという「割り出し」という位置決めの線を描くだけです。
でもそれはプロの話しです。
私たちアマチュアは下絵どおりの切子(グラスリッツェン)が作れればよしとしましょう。
下絵どおりの切子とするためには、下絵を写し取る必要があります。
大抵は平面状の紙に書いた図案が下絵です。
でもグラスは容器ですから曲面になっています。この曲面に下絵をうまく写さねばなりません。

先ず下絵を切り取りますが、このとき下絵の外側から5mmか10mm大きめに切り取ります。
これをグラスの内側にセロテープで貼り付けます。
切り出した下絵も平面のままではグラスの内面になぞらいませんので、下絵の空間部分にはさみを入れておきます。

もう一つ注意することがあります。
それは、グラスの縁にあまりにも近い所をカッティングすると、グラスが割れやすくなることです。彫っているうちに割れることもあります。
そのため、下絵の外周は、グラスの口から出来れば10mmくらい下までのところでとどめるようにしましょう。

セロテープで止めながらグラスの内面に沿わせていきますが、必要ならば、ティッシュなどを湿らせておいて、下絵の裏から水分を与えてやりますと内面に沿いやすくなります。
それでもだめならば、最後の手段があります。
グラスの内側、と言っても実際は切子図案の下絵の裏になりますが、ここにスポンジとか、タオルとか、くしゃくしゃにした新聞紙など弾性のあるものを詰め込んでやるのです。そうすると大抵の場合切子の下絵はグラス内面にぴったりくっ付いてきます。
でも、大体下絵がグラスの内側に入っていればよろしいです。ぴったり内面に張り付いたように沿っていなくても大丈夫です。
参考の話ですが、江戸切子や薩摩切子では下絵図案なしでカッティングしていきます。伝統工芸ならではの技術です。

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