江戸切子と薩摩切子

切子で実を彫るポイント


切子(グラスリッツェン)図案を彫るにはダイヤモンド針を使いますが、その使い方のコツを知っておいたほうがうまく彫れます。例えばぶどうの絵を彫るとして、その実の彫り方のポイントを説明します。

切子として、丸い実の丸さを表現するのに、2つの大切なポイントがあります。

線の方向
実の表面を線描きで彫りつぶす場合、その線の方向に注意が必要です。
地球儀には緯度線と経度線が書いてあります。緯度線は南極と北極を軸とするときその軸に直角な線です。
経度線は上下方向に引かれた線で、軸を含んでスイカを切るときのような切り口の線になっています。
実の丸さを出すためには、この上下方向の経度線のように彫るのがよいです。
自然な形になります。
切子には違いありませんが、江戸切子や薩摩切子では線の方向はたいてい直線となり、幾何学的になります。

光る所と陰になる所
実に光が当たって光っている部分と、光が当たらず陰になってしまう部分を表現することが大切です。
光源が左上にあると仮定すれば、実の左ぜんめんに明るい部分が出来、実の右下は暗くなるはずです。
明るくなるはずである所は線の密度を高くし、影になるはずである所は線をなしにします。
急に密度を高めたり、急に線をなくしたりするのはいけません。
必ず徐々に変化させるようにします。
切子図案の下絵は線描きでない場合もあります。例えば写真を下絵に使う場合などは十分に考えなくてはなりません。
また、上の方の実と、下の方の実では、上の方の実の方が明るいのが自然です。

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