江戸切子と薩摩切子

切子で葉を彫るポイント


切子(グラスリッツェン)図案を彫るにはダイヤモンド針を使いますが、例えばぶどうの絵を彫るとして、その葉の彫り方のポイントを説明します。

切子として、葉の柔らかさを表現するのに、2つの大切なポイントがあります。
江戸切子や薩摩切子では表現できない柔らかさをこのグラスリッツェンでは表現することが出来ます。

線の方向
葉には確かに外形がありますが、これは形状どおりに彫るだけで問題はありません。
切子としての表現の難しいのは、葉の表面です。
まず葉の表面に葉脈を描きます。葉脈はまったくの直線ではなく、葉の表面のうねりを表現するように少し波打たせます。
葉の表面の彫りつぶしは密に並べた線刻で行います。
そのときの線の方向が大切なのです。葉脈には中央を先端に向けて走る葉脈と、中央から左右方向に向かう分岐葉脈とがあります。
切子のためには、彫りつぶしのために線刻を密に並べて行いますが、その線の方向は、必ず、分岐葉脈と平行にすることです。
少し波打っている葉脈にあわせて表面におなじように波打った線刻を並べることで、葉の表面の柔らかさが表現できます。

光る所と陰になる所
葉の部分においても、光が当たって光っている部分と、光が当たらず陰になってしまう部分を表現することが大切です。
葉の中央の葉脈部分は大抵へこんでおり、葉の左右の端は垂れ下がっているのが普通です。
言い換えれば、葉の中央でもなく、左右の端でもない部分が高くなっているわけです。
この高くなっている所には光が当たりやすいですから、より密に線を彫り、中央はあまり線は彫らないのです。
左右の端は適当に波打たせるため、あるところは強くしてもよいです。

このように、切子として、葉の自然な姿を表現できるように彫り込むとよいでしょう。

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