江戸切子と薩摩切子

カリガラスの切子への適否


カリガラス
カリガラスとは、木の灰を原料に用いてボヘミア(現在のチェコ)で17世紀後半に開発された、ガラスです。「カリクリスタルガラス」「カリ石灰ガラス」とも言います。

カリガラスの開発経緯
16世紀に入ると、ボヘミアのガラス製造は、イタリアのジェノバから、エジプト産のソーダ原料を輸入して行われるようになりました。しかし輸送中チロル地方で略奪にあって、ボヘミアに届かないことが多くなってしまいました。そこでボヘミアでは、木灰をアルカリ原料として使用するようになり、これがカリガラスの始まりです。

カリガラスの特徴と使われ方
カリガラスは透明度が高く、硬いです。彫刻を施すのに適するため切子に用いることも出来ます。
しかしダイヤモンドホイールを用いて切削する切子には良いでしょうが、手彫りの切子であるグラスリッツェンには少し硬いかもしれません。
ボヘミアガラスにおいて、主流素材となり、現在でもモーゼルではカリガラスが用いられている。しかしボヘミアガラス全体としては、現在は(鉛)クリスタルガラスも用いられるようになっています。
特にシレジア山脈の珪石には鉄分が少なかったため、ほぼ無色透明に近いものができたといわれます。

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