江戸切子と薩摩切子

ホイール


江戸切子は透明なガラスにヤスリや金の棒あるいは金剛砂などによって切子細工をし、木の棒等を用いて磨く手摺り工程によるものでしたが、薩摩に渡った職人により、薩摩切子は色被せガラスを使い、ホイールを用いて深いカットを大胆にするようになりました。
しかし明治以降は江戸切子においても色被せガラスの技法なども用いられるようになり、加工方法や文様を受け継ぎつつ、手摺りからホイール摺りへ移行しています。
ホイールと言うのはグラインダーのことです。
切子用の現在のグラインダーの刃はダイヤモンドで出来ています。
ダイヤモンドで出来ているとは言いましても、全体が一個のダイヤモンドの塊で出来ているわけではありません。ダイヤモンドの粉やカーボランダム、鉄粉、レジンなどを練り合わせ、所定の形にしてから熱を加えて焼結します。
この焼結によって小さなダイヤモンドをたくさん含んだホイールの刃が出来るのです。
グラスの切子模様によく使われるのは、円盤状で、先端がV字状にとがっているダイヤモンド刃です。
しかしそればかりではありません。
円盤状ではあってもV字の刃ではなく、半円形のものもあれば、平面状のものもあります。
さらには、ドリルの刃のように棒状のものもあります。
切子の模様をつけるとき、最適のものを使うわけです。

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