江戸切子と薩摩切子

切子用ダイヤモンド針


近年の切子はダイヤモンドホイールで彫りこんでいきますが、グラスリッツェンはダイヤモンド針で彫りこんでいきます。
ダイヤモンドの針といっても、全体がダイヤモンドで出来ているわけではありませんし、ガラス切りのように先端に小粒のダイヤを埋め込んであるのでもありません。
マッチ棒のように針の先端をごく小さい丸型にして、その丸型(マッチ棒で言えば薬の部分)の部分にダイヤモンドの粉末を接着剤で付けてあるのです。
ですからこのダイヤモンド針でガラスの表面を引っ掻いても、鋭いV字型の傷はできませんので、ガラス切りにはなりません。
細いすりガラス状の筋がつくわけです。
細い針は先端の丸が小さく、すりガラス状の筋は細くなります。
逆に太い針は先端の丸が大きいため、太い筋が付きますし、塗りつぶすと言いますか、彫つぶすときには便利です。
細、中、太の3本あれば大抵は間に合います。
もっと表現力を上げたくなったら、5本組とか色々揃えられたら良いと思います。
針のメーカーや、リッツェン教室では、細針のことをスモール針とか、中針のことをミディアム針と言ったりします。
一番太い針はダイヤモンドとは限りません。カーボランダムで出来ている場合もあります。
カーボランダムでもガラスは削れますし、大きい針をダイヤ粉で作るよりも安価だからです。先端は丸と言うよりも円錐に近い形になっています。ですからこれを寝かせて使えばまるで平ヤスリをかけているようになります。立てて使えば中くらいの針の代わりにもなります。
江戸切子はさほどでもありませんが、薩摩切子は深くカッティングしてあります。
このダイヤモンド針でその様にしようと思っても先ず無理でしょう。
そういう意味では江戸切子や薩摩切子とは違いますから、グラスリッツェンとして区別されているのでしょう。

グラスリッツェン ダイヤモンド針(西沢純子モデル・白角) グラスリッツェン ダイヤモンド針(西沢純子モデル・緑丸) グラスリッツェン ダイヤモンド針(西沢純子モデル・白楕円)
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