江戸切子と薩摩切子

江戸切子物語(4)



日本における切子は、江戸時代の終わり頃、加賀久が表面に彫刻で模様を施したのが始まりとされていますが、時の流れとともに江戸切子は江戸の硝子職人、薩摩切子廃絶に伴う技術の移転、そしてイギリスのカットグラス技術等が融合していったのと考えられます。

江戸切子の原材料は2種類あります。
輝きがあり、カットしやすいクリスタルガラスと、ソーダ石灰ガラスです。

クリスタルは切子を施したとき、キラキラと輝きずっしりとした重量感があります。
製品に豪華な風格が漂い、高級な感じになります。
製品としては、花器や灰皿に多く使われます。
江戸切子の文様としては、矢来・菊・麻の葉模様など着物にも見られる身近な和の文様を繊細に切子をしているのも特徴です。

ソーダ石灰は日常使っているコップやガラス鉢に多く使われています。
この上に表面だけ薄く着色し、切子にしますと、切子の細工をした部分だけが透明になり、模様がくっきりと浮かび上がります。
清涼感や美しさを遺憾なく発揮します。
現在は、当初からの素材であるクリスタルよりも色被せを素材に用いたものが切子らしいイメージとして捉えられており、多く生産されています。

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