江戸切子と薩摩切子

型吹きガラスの技法


宙吹き成型法がシリア地方で実用されるようになりましたが、その吹き棹の方法を使って型の中に吹き込むという技法がほとんど同時に開発されたようです。
こうすることでガラス器の外形を容易に整えることができるようになりました。
最初は金属の型が使われたとは考えられませんので、おそらく石膏のようなものを使っていたのでしょう。
吹き棹を人が口で吹いて型の中でガラスの下玉を膨らませると言う技法は長く続きました。
しかし1800年頃にいたって機械化ということが生じました。この成型法が大きく変化したのです。人に代わって機械が吹く様になったのです。
機械化されたために製品の品質は安定し、不良品も少なくなりました。
更に、生産性も非常に高くなりました。
機械化するのはこのように大変よいことなのですが、初期投資費用がかかります。
このため機械化を進められたのは高級品の分野でした。高品質な製品を量産することが出来、富裕階級向けとして普及しました。
しかし機械化された庶民向けの型吹きガラスも、1850年頃から盛んになってきました。
機械化されて、型吹きガラスとして量産されてはいるのですがあまり品質は高くありませんでした。型吹きですから外形はある程度整っているのですが、内部には気泡などが多く、庶民向けの印象はぬぐい切れないものだったようです。

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