江戸切子と薩摩切子  
ステンドグラスは透過光で見るため、人の目に非常に美しく写ります。

ステンドグラス


ステンドグラス
フランス・ストラスブール大聖堂
ステンドグラス wikipediaより

ステンドグラスは外部からの透過光で見るため、人の目に非常に美しく写ります。装飾を否定するモダニズム建築全盛の時期になるとあまり用いられなくなりましたが、今日では再びステンドグラスが見直され、公共建築、住宅、教会などに採用されています。また手工芸として、ランプの傘などにも用いられています。
500年前後に完成したイスタンブルの寺院にはステンドグラスの跡が残っています。当時はフェニキア人から伝わった吹きざお製法を発展させたローマングラスでした。

破片の形で残る最も古いステンドグラスは、フランク王国のカール大帝の支配下にあったロルシュ修道院(ドイツヘッセン州)で見つかっています。修道院は764年創建ですが、ステンドグラス自体は9世紀のものだと推定されています。ステンドグラスにはキリスト像が描かれていました。
原型を留める最古のステンドグラスは、ドイツ南部バイエルン州に位置するアウクスブルク大聖堂に残っています。ダニエルをはじめとする5人の預言者を描いたステンドグラスは12世紀初頭の作品だと考えられています。
その後、ステンドグラスはフランスにおいて発展していきました。12世紀頃、ロマネスク美術に続いてゴシック美術が北フランスからおこり、建築技術は向上しました。飛梁の発明により天井は高く壁は薄くなり、大きな窓が可能になったのです。ゴシック様式を採用した教会堂の窓には彩色の施されたステンドグラスが使用されるようになり、教会堂は光のあふれる空間となりました。

12世紀の代表的なステンドグラスは、パリの南西90kmに位置するシャルトル大聖堂のものです。176ものステンドグラスを誇ります。「美しきガラス窓の聖母」、「薔薇のステンドグラス」など多数あり、特に青と赤の色彩が特徴的です。着色に使われた金属酸化物が不純物を含んでいること、ガラスの表面が平面ではないことから、複雑で微妙な色彩をかもし出しています。
イングランドでは、1220年から1472年にかけて建設されたヨーク大聖堂が最大級です。10万枚以上片を用いた200m2近いステンドグラスが残っています。
ローマ帝国以後、沈滞していましたが、ステンドグラスの興隆とともに、革新が起こりました。1291年に海軍国家となって繁栄し始めたヴェネツィアがムラーノに工場を集積。ローマンガラスの質を高めました。今日でもヴェネツィアン・グラスとして知られています。

日本では近代建築とともにステンドグラスの技法が伝えられました。素朴なものでは大浦天主堂(国宝)のステンドグラスがあります。
海外で制作された作品を輸入して取り付けることもありましたが、明治後半から日本人もステンドグラスの技法を身に付け、次第に自前で造るようになりました。慶應義塾大学図書館の大ステンドグラスは、和田英作の原画により、小川三知が制作したものですが、戦災で失われて、現在は原画をもとに復元されています。大正時代以降は洋風住宅の普及とともに流行し、一般の住宅にも使われるようになっています。なお、日本で最も大規模なステンドグラスは国会議事堂のものです。公共建築物では、名古屋市市政資料館の中央階段室にステンドグラスがあります。

(ウィキペディア参照による)

 

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