江戸切子と薩摩切子

最初の吹きガラス


宙吹きガラス技法の発明はシリア地方と考えられていますが、その最初のものはエルサレムのユダヤ人居住区から出土したガラス管の残骸に見られます。
吹き技法によって作られた最古の製品は、死海の西にあるエンゲディ遺跡から出土した小瓶です。
イタリアでも吹き技法によって作られた小瓶が出土しており、宙吹きガラスの技法が急速に西の方にまで伝わっていったことが分かります。
このような製品としてあるものは吹き技法の発展の結果ですが、発展する前の、本当に発明されたときの吹き技法はどのようなものだったのでしょうか。
それを知る最も有力な証拠は、エルサレムのユダヤ人居住区から出土したガラス管の残骸です。このガラス管は一端を閉じて膨らませてあったのです。
最初期の宙吹きガラス技法は、現在のように金属パイプの先端に溶融ガラスを付けて膨らませるのではなく、ガラス管そのものの一端を溶融して膨らませていたのです。
この技法を共棹と言います。
西方に伝わった吹き技法は、イタリア地方で更に発展したことが、ポンペイやヘルクラネウムから出土する色々なガラス製品に現れています。
西暦79年にヴィスヴィオス火山が大噴火を起し、人々の暮らしを一瞬にして灰のなかに埋もれさせてしまいました。
このため、墓の中に埋葬する特別なものと違って、人々の日常使用のガラス製品をその中に見ることが出来ます。
例えばポンペイ市では、ガラス製の壷が250点、コップ30点、皿4点などが見つけられています。
その他にも多数出土しており、100種類を超えると言われています。
これらのガラス製品は、豪華な装飾を施されたものから、やや青みを帯びた透明ガラスの日用雑貨まで幅広くあります。
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